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2025-01-31

「成瀬は天下を取りにいく」をオーディブルで聞いてみた

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オーディブルで耳読しました。

これすごく面白かった!

主人公は、独特なカリスマ性を持っている成瀬あかり。

その成瀬あかりを通して、様々な人たちが、影響されたり考えたりして、気づいたら成瀬に巻き込まれて、彼女を好きになっているっていう話で、聞いているうち私もいつのまにか成瀬のファンになってしまいました。

舞台は滋賀県大津市の南部、琵琶湖畔に位置する地域、膳所(ぜぜ)、という超ローカルな場所。

歴史的には、徳川家康が関ヶ原の戦い後、最初に築いた城である膳所城があったそう。

琵琶湖に面した自然豊かな環境と古い街並みが調和した地域で、駅周辺には個人経営の商店や飲食店が立ち並び、湖岸沿いには大型商業施設もあります。

交通の弁もよく、JR東海道本線と京阪石山坂本線の2路線が利用可能で京都や大阪へのアクセスも便利、という大阪出身の私も、近くを通ったことがあるし、耳馴染みのある土地です。

2020年の8月31日に大津市におの浜にある西武大津店が閉店になったことが、この物語の冒頭で出てきます。

成瀬あかりが、閉店間近の西武大津店で毎日行われるテレビ中継に映り込むことを計画し、実行します。  

成瀬は、西武ライオンズのユニフォームを着て、30日間欠かさず西武大津店に足を運び、カメラに映り続けるという挑戦を行います。

この行動は、地元の人々に少なからず注目され、彼女の存在が人々の記憶に刻まれることとなります。  

また、実際の西武大津店の閉店時の様子や地元の風景がリアルに描写されていて、それもこの小説の面白いところです。

大津の人たちがどれほどこの西武大津店を愛していたかがよくわかります。

語り手である「私」は、一人ではなく、パートによって別の人が「私」として成瀬のことをそれぞれの角度から語るというスタイル。

成瀬は、人の目を気にするということがなく、自分の信念を貫きます。

それによって、変な目で見られたり、嫌われたりすることもあるけど、本人は気にしない。

M-1グランプリを目指して、幼馴染を誘って漫才もやってみる。

誰よりも大津のことを愛していて、大津観光大使にもなる。

正義感が強く、困っている人を助けずにはいられない。

次々に新しい目標をかかげて、それに向かって猛進していく姿は気持ちがいいです。

あっという間に聞き終わってしまい、えー、もう終わり?と思っていたら、続きがありました。

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期待をうらぎらない成瀬エピソードがここでも炸裂。

琵琶湖観光大使としての成瀬が楽しめます。

誰かの目を気にして、本当はやりたいんだけどやらなかったり、普通はこうでしょ、という常識にしばられて自分の行動を決めたり、たいていの人は多かれ少なかれ、そんなもんですが、成瀬は見事に自分がやりたいことをやっているところがいいんです。

そしてその目に曇りがないから、関わった人がその魅力になぜか惹きつけられていく。

高校の入学式から、丸坊主で学校に現れてみんなに引かれるんだけど、なんでそんなことしたかというと、「人間の髪は一ヶ月に一センチ伸びる」という一般的な説を自分自身で検証するためでした。

彼女は高校生活の3年間で髪がどれだけ伸びるのかを実際に確かめようと考え、入学時に髪を全て剃り、その後一切切らずに伸ばし続けることにしたのです。

この他の人がしないような発想と大胆な行動は、強烈なエピソードです。

でも、幼馴染の島崎みゆきが、お父さんの転勤で東京に行くことになった時に、いつものクールさを取り乱して不安定になるところは、成瀬の人間味が現れていると同時に、幼馴染を大切に思っていた気持ちが表れている場面でした。

成瀬以外の登場人物も、それぞれの心理が丁寧に描かれていて、それも楽しめる要素です。

ちょっとしたドラマを全部見終わったかのような満足感で、この小説を聞き終わりました。

オーディブルだと、キャラクターの声のトーンなど使い分けていて、気軽にこの小説を楽しめるのでおすすめです。

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