180円で人助け
週末、仕事帰りに同僚と飲みに行きました。
コロナ禍で長い間そういえば、会社の人と個人的に飲みに行っていなかったので久しぶりでした。
1軒目は、おしゃれな感じの居酒屋で、美味しいけどお値段高めでした。
そこは早めに切り上げようと、少しだけ注文してすぐに別の安いお店に移動。
2軒目は大衆居酒屋で、隣同士に座ったのに、大声を出さないと聞こえないほどにぎやかなお店でした。
ただ、こちらの方が居心地が良く、楽しくリラックスして話せました。
2時間ぐらい滞在したでしょうか。
それなりに話して満足して居酒屋をあとにしました。
外国人観光客に話しかけられる
駅までの帰り道、なぜか飲んでいる時より話が盛り上がり、私たちは地下鉄の改札の前で長々と話し込みました。
ふと見ると、アメリカ人らしき4、50代と思われる夫婦が、切符が買えなくて困っていました。
今や、東京駅付近の駅で切符を買っているのは旅行中の外国人ぐらい。
日本に住んでいる人はみんなSuicaやPASMOを使っていますしね。
なかなか買えないようで、奥さんの方が、私たちに話しかけてきました。
切符を買いたいけどどうやったら買えるの?
英語でしたが、なんとなく理解できました。
見にいくと、ボタンの操作がわかりにくく、行き先までどういう切符を買ったらいいか、行先までいくらなのかもわからないらしい。
そりゃそうですよね、丸の内線、東西線、千代田線、半蔵門線、と4つも電車が通っていて、日本人だって迷います。
関西人の私も、今でこそアプリを見て乗り換えできるけど、一昔前は東京の地下鉄が理解できず、迷子になりました。
その夫婦の目的地は浅草。
料金表を見ると、浅草までは180円。
じゃあ180円を2枚買えばいいのね、とボタンを押し、いざお金を払う段階になって、その人たちが出したのはクレジットカード。
クレジットカードを、差し込み口らしい場所に差し込むのですが、何度やっても戻ってきます。
よくわからないので、駅員さんを呼んできて、事情を説明して、あとはお願いすることにしました。
ノーマネー!
また私たちは、改札前で自分たちの話の続きをはじめました。
しばらくすると、またその外国人が私たちに、困ってる様子をアピールしてきました。
どうやら駅員さんによると、クレジットカードは使えないらしく、まずは日本の現金を用意しないといけないことはわかった。
そこでダンナさんの方が現金化しようとしたけど、それもできなくて戻ってきたようです。
ダンナさんは手を大きく広げて「ノーマネー!」と困り顔。
ウーバーにしようか?とダンナさん。
ウーバーって、タクシーのことよ、と私たちの顔を見て話す奥さん。
確かにタクシーならクレジットカードが使えるか。
それしか解決方法ないかしら?
現金がないのよね。
じゃあ、私たちが出してあげる?
そこで私たちは、自分の財布からそれぞれ180円出して、切符を一枚ずつ買いました。
切符を買うなんて久しぶり。
それを見ていたダンナさんは「ノーセンキュー、ノーセンキュー」と少し遠慮していましたが、切符を渡すと、奥さんの方が「オー!センキュー!」と喜んで受け取ってくれました。
結局ふたりは、切符を受け取って爽やかな笑顔で手を振って、改札へ。
ところが改札では切符を入れるタイミングが合わず、奥さんが通り抜けられない。
私たちがもう一度切符を入れてあげて、ここ!というタイミングで「ゴー!」と指令を出しました。
するとちゃんと入れて、奥さんは「オッケーオッケー!」と満面の笑み。
二人は笑顔で浅草に向かってホームへ消えていきました。
いいことしたよねー、と私たちもなんともいえない満足感。
たった180円で人を助けられたのです。
この満足感はなかなか味わえないですよ。
むしろ、私たちの方がオー!センキューです。
私たちが素敵な体験をさせてもらったんです。
その外国人夫婦も、日本に旅行に来るぐらいだからお金はたくさん持っているんでしょう。
日本円を持っていなかっただけです。
外国に来て切符の買い方が分からず困っていたら、きれいな日本人女性(?)二人に助けられて、きっととても良い思い出になったのではないでしょうか(笑)。
私たちはほろ酔いで人助けをして、とても良い気分でそれぞれ帰路につきました。
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