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2020-01-21

書道再開

実家両親は、大阪で書道教室をしています。

もう、私が産まれる前からずっと。

私は3歳から筆を持ちました。

やりたいとかやりたくないとか私の意思ではなく、やるしかない環境でした。

3歳年下の弟と一緒に、他の生徒さんに混ざって教室で両親から書道の指導を受け、全部終わったら後片付けのお手伝いもあります。

小さい頃はそれが当たり前の生活でしたが、物心つく頃になると、めんどくさいことになりました。

墨のついた筆や硯を洗うことも、生徒さんたちが使った折り畳み式のテーブルを畳むのも、ブルーシートを畳むのも。

私の記憶の中で、書道というものが、字を書くという単純なことではなく、後片付けも含めて、強制されてやるめんどくさいこと、というものになりました。

ただ、字を書くこと自体はずっと好きでした。学校では、友達にいつも字がきれい、と褒められ、書道の作品はいつも貼り出されました。

弟はさっさと書道教室に参加することはやめてしまいましたが、私はなぜか、やめることは悪いことのような気がして、短大に行く頃までやっていました。もういい加減続けるのが難しいという状況になってはじめて、やめられたのです。

字を書くことは好きなのに、強制されている感が強過ぎて、楽しくやれていなかったんでしょうね。

大人になって、自分の娘たちが今度はおじいちゃんに教えてもらうということになり、離れて住んでいたので通信教育で課題を送ってもらっていた時、ふと私もやってみようかな、と思って娘たちのお手本を見て、簡単な文字を筆で書いたら楽しかった。

ついでに私も書いてみました、と書いたものを送ってみたら、やるならちゃんとやれと、私向けの課題が送られてきて、期限までに出すことを言われました。

途端に面倒になりました。

要は強要されるのが嫌なのです。

それでまた渋々期限までに書くという苦痛を味わい、数年。

仕事が忙しくなったことを理由に、お休みしたいと申し出ました。

解放されました。

でも、最近、私の得意なことってなんだろう、と考えた時、当たり前にできる事なのに人から褒められることが得意なこと、というフレーズを耳にして、私は字を書くことだな、と思いました。

しかも、字を書くこと自体は好きなのです。

嫌いなのは、それにまつわる片付けや面倒なこと、期限をつけられること。

でも、好きならまたやってみてもいいかな?と思い、課題を送って欲しいと父にLINEを送りました。

父は78歳で、LINEをやっていて返事も早いのです。

でもその時はなかなか返事が来ない。

おかしいな、具合でも悪いのかな?

そうこうしているうちに、当初の気持ちが萎え、あー、やっぱり面倒だな、と思い始めました。

LINEの調子が悪くて、このメッセージ、見ずに終わってたらいいな、なんて思い始めた頃、父からの返信。

やはり、LINEの接続が悪くて見られなくて返事が遅くなった。今見たと。課題を送るから待っていてくれと。

もう逃げられなくなりました。

腹をくくってまた決められた期限を守るストレスフルな生活を送るしかないな、と思いました。

そして昨日、課題が送られてきました。

課題と一緒に、筆で書いたメッセージ。

日時を決めずに気楽に始め、適当に送ってください。

途端に気が楽になりました。

ただ、そのあとLINEで

ただし必ず毎日筆を持つこと

と書いてありました。

いやいや、毎日筆持つって面倒なんだよ〜

でも、まあ筆ペンでもいいか、と思いました。

筆ペンで色んな文字を書くなら楽しくない?気楽だし。

将来、私は筆ペン教室をしようかな?

みんな、筆を持つ、筆を洗う、硯を洗う、周りが汚れるって言うのが嫌だからハードル高くなるのよ。筆ペンならそれ1本でいつでもできる。

それならみんな気軽に始められる。

よーし、その線で行こう、なんて思ったら楽しくなりました。

こうして書道を長年続けて来た父に教えてもらえるというのは、ありがたいことだと思います。

子供の頃から大好きだった父。

その父と、書道を通して繋がっていられることに感謝しつつ、面倒だけど、やるか!という感じです。

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