久しぶりの映画「ONODA」
太平洋戦争終結後も任務解除の命令を受けられず、フィリピン・ルバング島で孤独な日々を過ごし、約30年後の1974年に51歳で日本に帰還した小野田寛郎旧陸軍少尉の物語を、フランスの新鋭アルチュール・アラリ監督が映画化。
https://eiga.com/amp/movie/95139/
先日、2021年10月8日に公開されたので、さっそく見に行ってみた。
フランス・ドイツ・ベルギー・イタリア・日本合作で、日本が入っているものの、日本人制作ではないので、どうなのかな?違和感あるのかな?と思ったけど、そうでもなかった。
教官の命令を受けて、何がなんでも生き延びるという使命を持ち続けた小野田さんの精神力。
いくらなんでもあんな過酷なジャングルで、次々と仲間が死で行くのを目の当たりにして、なお戦意を失わず、30年間も生き延びたというのは尊敬に値する。
小野田さんの青年期を演じたのは、遠藤雄弥。のだめカンタービレに出ていた人だとわかったのは、映画を見終わってから。
全くイメージが違うので、気づかなかった。
役と髪型でこんなにわからないものかと驚いた。
鋭い目付きと精悍なイメージが、この役にハマっていたと思うし、現代的なルックスの人が演じる事で、古臭くなく、幅広い世代で見られやすいのではないかと思う。
成年期を津田寛治が演じたということがあとからわかったが、役者が変わったことに全く気づかなかった。
歳をとったという演出があったのだろうと思ったぐらいで、自然だった。
最後に小野田さんを発見する旅行者の役に、「今日から俺は!!」の今井勝俊役の仲野大賀が出ていたことにも全く気づかなかった。
密かにこの、今井勝俊という間抜けで正義感の強いキャラクターが好きで、いったいこの人誰だろう、と思っていたものの、ちゃんと調べたことがなく、しかも旅行者として出てきた時には、今井勝俊感が全くなかったため、1ミリも同一人物だとは思わなかった。
それくらい、それぞれの登場人物に、全く先入観がなかったのも良かった。
この映画をわざわざ見に行く人も、かなり限定された人だろうと思っていたけど、やはり、見に来ていた人は、ほとんどが50代以上かもしれない。
映画が割と長めだったので、後半トイレに立つ人が多かったのは、年齢層高めの映画あるあるの気がして笑えた。
映画館に行くこと自体久しぶりで、やっぱり、劇場で見る映画はいいなと、心から思った。
NetflixやHuluで気軽に見られる反面、映画というものの特別感を忘れていた気がする。
緊急事態宣言が解除された喜びと、それでもまだ安心できないという空気の中、少しずつ前のように楽しんでもいいよという、少しだけ開放された感。
そんな中見に行ったので、私の中で記憶に残る映画となった。
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